表面利回り12%の戸建賃貸
仙台市太白区茂庭字川添西のオーナーチェンジ戸建についてレビューさせていただきます。
物件はなかなか特徴的です。
価格 | 1100万円 |
所在 | 仙台市太白区茂庭字川添西 |
交通 | 宮城交通バス 北赤石 徒歩約5分 |
土地面積(公簿) | 220.56㎡(66.71坪) |
建物面積(公簿) | 142.83㎡(43.2坪) |
築年月 | 1974年4月 |
間取 | 5LDK |
現況 | 賃貸中 月額賃料114,000円 |

茂庭字川添西戸建賃貸の特徴
オーナーチェンジ

物件には賃借人がいて、購入と同時に賃料が入ってきます。
投資物件の中には、空室ながら想定賃料で利回りを出しているものもありますが、この物件は現時点で賃貸中です。(賃借人がいる投資物件自体は珍しくありませんが)
現在の賃借人は2020年3月より入居しており、個人契約ですが家賃保証会社にも加入しています。
リフォーム工事済


建物自体は1974年4月築と築51年にもなりますが、2019年に内外装フルにリフォームしているとのことです。
オール電化にし、キッチン、浴室、トイレを新品に、床も壁も張り替えて、外装は塗装をしているのがわかるので1000万円は掛かっています。
ただし、工事の契約書や見積書といった工事の箇所、内容が記載されているものが残っていません。また、入居中なので室内を見ることも不可能です。
大々的なリフォームを行ったことがこの物件の商品性の大部分を占めるのですが、そのエビデンスがないのは何とも残念です。
地積は400平米はある?


土地の面積は登記簿上では220平米ですが、航空写真や地番図から推測すると400平米くらいはありそうです。
いくら何でも登記簿とそんなに違うことあるのと思うかもしれませんが、旧土地台帳附属地図のまま、国土調査も何も行われていないところでは割とあることです。
実際の面積が広く、しかも固定資産税は登記簿面積をもとに請求されるのはメリットですが、本当に400平米あることを裏付ける実測図や境界確定図はなく、実施の予定もありません。
立地は市街地から離れた国道沿い
国道沿いなので、交通量はそれなりにあり、目立つ立地ではありますが、周辺施設はあまり充実していません。割り切って車中心の生活をする人向けの立地です。
周辺施設が少ないのは、市街地から離れたエリアであることと、市街化調整区域に該当するからです。
周辺施設 | 生出小学校 約3300m 生出中学校 約3370m ミニストップ 約785m 出光赤石SS 約560m 秋保ヴィレッジ 約1560m グレースリッジカントリークラブ 約3000m |
市街化調整区域内である
市街化調整区域とは市街化を抑制するため建築や開発を制限している区域です。

市街化調整区域は都市計画区域外にくらべれば市街地よりではありますが、建築や開発が制限されるのは、不動産を活用して収益を得ようという不動産投資においてはもちろん足枷です。ただし、完全に建物が建てられないのではなく、建築にはいくつかの方法があり、そのうち最も使い勝手がいい方法が既存宅地という、建てる人を選ばない(土地に付く権利)ものです。
しかし、残念ながら物件は既存宅地制度に該当する土地ではありません。要件にあと少し満たないのです。
もちろん、物件はすでに建っているのでその建物を利用する分には困りませんが、将来、建て替えができるかで出口戦略が変わりますし、金融機関の融資判断にも影響するでしょう。
建築確認は一応あるが完了検査は受けてない
市街化調整区域にあり、既存宅地に該当しないのであれば、1974年に物件はどうやって建築されたのかという疑問が生じます。
残念ながらはっきりとはわかりませんが、建築確認の履歴を調べた限りでは農業者用の人に付く権利で建てられた建物ではないようです。当時の既存宅地的な制度が今と要件が異なっていて建築ができたのではないかと想像されます。
ただし、建築確認の履歴を見ると、新築時に建築確認を取ったものの、その後、建築確認は取り下げられ、しかし、建物は建築され、その後、増築で再度建築確認を取る、しかし、工事後の完了検査は受けないというなかなか微妙な対応をしています。昔は(特に地方では)完了検査を受けないことがよくありましたが、厳密に言えば建築基準法に違反しています。
まとめ
正直言ってかなりクセのある物件です。
リフォームや地積の広さといったメリットはありますが、エビデンスはなく、一方で遵法性の面ではデメリットがあるので、はじめての不動産投資って人には基本オススメしません。
なお、個人的に思う一番のメリットは、上記に記載されていませんが、賃借人にとって唯一無二の物件であることです。土地は国道沿いで、接道距離が長く、車でストレスなく入れて、何台も駐車できます。建物は広いし、室内立派です。
特に事業をやっている方が自宅兼事務所に使うのは使い勝手がいいのではないでしょうか。
(市街化調整区域なので許認可が必要な事業、例えば建設業登録だとNGだったりしますが)



【物件概要】
■構造:木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建 ■用途地域:無指定(市街化調整区域) ■建ぺい率:60% ■容積率:100% ■土地権利:所有権 ■地目:宅地 ■接道状況 南側:幅員約15m公道に接す ■築年月:1974年4月 ■設備:上水道・下水道・オール電化 ■取引態様:一般媒介